繊細さんと東洋医学・鍼灸。 [東洋医学]
こんにちは(*・▽・)/
世間はバレンタイン。
先週から始まった
「スイーツ大好き鍼灸師が、ただただチョコを配る2ウィークス。」
も折り返し。
好きな人に思いを込めて渡す「本命チョコ」。
思いを伝えたいけど
気があると思われたくないという「カモ(フラージュ)チョコ」。
仲の良い友達と交換して楽しむ「友チョコ」。
お世話になった人に贈る「世話チョコ」。
海外ではその構図はスタンダードらしい、
男性から女性に贈る「逆チョコ」。
自分へのご褒美で良いチョコを用意する「自分チョコ」。
面倒だけど付き合いで渡す「義理チョコ」。
「バレンタイン?何それ、美味しいの?」という人にも
貰える可能性が高い「母チョコ」。
春の「気」も後押しして、
気持ちが「そわそわ・ふわふわ」
悪く言えば「不安定」になっている方も多いことでしょう。
今日のお話は
そんなイベント事の際にも、
精神的に疲れてしまいやすい「繊細さん」と「鍼灸」を絡めたお話。
「繊細さん」
聞き慣れない方が多いでしょうか。
書籍で読まれたことがある方もいらっしゃるかと思いますが
「繊細さん」の本
武田友紀さんという方が著作で、そのままの本があります。
(なんと!この記事を書いている時点で、Amazonプライム会員の方は0円!
表紙にある様な挿絵があり読みやすいですので興味ある方は是非~)
「繊細さん」のベースにもなり
その言葉を広めたのは、
臨床心理士のエレイン・N・アローン博士が
著作し、アメリカで大ベストセラーとなった
「Highly Sensitive Person(非常にセンシティブな人)」という書籍からです。
「センシティブ」
主な意味
- 敏感な
- 感じやすい
- 傷つきやすい
- 過敏な
- 気にしやすい
- 神経質な
- 感受性の鋭い
要するに、
以上の様な性質を強く持つ人。ということですね。
そして
このHSPというのは、
「肉体的」なセンシティブでもあり、
「精神・こころ」のセンシティブでもあるとされています。
これだけのワードでは、
いまいちピンと来ない方もいらっしゃるかと思いますので
エレイン・N・アローン博士の書籍
「Highly Sensitive Person」を訳した
「ささいなことにも「動揺」してしまうあなたへ。(絶版)」から、その特徴を挙げてみましょう。
精神的な特徴の例
○間違いを指摘したり、間違いを避けることに長けている○とても良心的である○深く集中ことができる(まわりに気を散らすものがなければ)○慎重さ、正確さ、早さ、小さな違いを見つけることなどが必要とされる仕事が得意だ○自分個人の考えについて思いをめぐらせることが負い○学んだと気づかずに学んでしまっていることがある○まわりの人の気分や感情に大きく左右される
肉体的な特徴の例
○車のかすかな運動にも気づく○空気中の物質に敏感である○花粉症やじんましんなどにかかりやすい人が多い○じっとしているのが得意だ○「朝型人間」(例外はたくさんいる)○カフェインなどの刺激に影響されやすい(人によって慣れてしまっていることもある)○より「右脳的」であり、論理的、直線的というよりは、創造的、統合的なアプローチをとる
エレイン・N・アローン博士によると
HSPの人は、特別に敏感な神経システムを持っているために、
精神的にも、肉体的にも、
特に「新しい刺激」や「長引く刺激」に対して神経が高ぶりやすいと言っています。
これら「HSP」を題材にした関連書籍には
武田友紀さんの「繊細さん」を含め
その繊細な方の特徴や、悩み、解決方法などがいっぱい載っています。
その様なHSPと呼ばれる繊細な方。
当所では、このHSPというものに当てはまる方が大変多く来院されます。
(定期的に来院される方は100%に近いかもしれません。)
それは
当所が「うつ」や「不眠」、「自律神経失調症」、「起立性調節障害」など、
子供から大人まで、心の働き、神経の働きに不調を抱えた方を多く診ていることもあるでしょう。
また、非常に繊細な鍼灸術を行っていることも影響しているかもしれません。
そして何よりも
私自身が「HSP」という性質を、大変強く持っていることも影響するかもしれません(^^;)
私の具体的な出来事で言えば
- 目の前で患者さんを診ていても、
待合室の患者さんの動向が音で分かる - 自分とは関係ない事、知らない人の会話でも気になる
- 外に出ると(車に乗っていても)
周囲をキョロキョロしてどの様な人がいるのか自然と確認してしまう - 行動する前に、
リスクを考え過ぎてしまい行動出来ない - 勉強会参加すると、
自然と会場内のどこに誰がいるのか確認してしまう - 電車移動や、秩父以外(都内など)を歩くときは耳栓をしている
- 人混みが苦手
- 人工的な空調が苦手
- 靜かなところが好き
- 明るすぎない所が好き
- 敏感肌
など、その特徴を挙げるときりがありません。
それこそ、HSPと呼ばれる繊細さ、敏感さがあるからこそ
このお仕事を行うことができ、好きでいられるのかもしれません。
この「HSP(Highly Sensitive Person)」という
「繊細さ」「敏感さ」というのは
東洋医学の世界では、
「気」という表現を用いてごく当たり前に語られています。
東洋医学でいう「気」というのは
とても簡単に説明すると「物事を動かす働き」。
それを人の肉体でみていくと
血液や骨が日々作られるのも「気」の働き。
体温がある程度一定に保たれるのも「気」の働き。
風邪のウイルスに対して、免疫がしっかり働くのも「気」の働き。
嬉しい出来事があり幸福な気持ちになるのも「気」の働き。
仕事のし過ぎで疲労が溜まり体が痛くなるのも
体を循環する「気」に過不足が発生するからこそ。
立ち仕事のし過ぎで足が浮腫んでしまうのも
下半身の巡る「気」の動きが悪くなる、詰まるからこそ。
例えようの無い不安から眠れなくなるのも、
頭に「気」が集まり過ぎてしまい、気持ちが静まらず興奮してしまうからこそ。
当所にいらっしゃっている方は、
よくその様な話をされているかと思いますが
エレイン・N・アローン博士の言う「HSP」というのを東洋医学的に言うと
「気」の変化が速い方と表現できます。
HSPの方≒気の変化が速い方と言えるかもしれません。
日頃の臨床では気の変化が速い方(≒HSP)には
東洋医学の視点から、生活の仕方、養生法をお伝えしていますが
今回は
- 「HSP(Highly Sensitive Person)」=「非常に繊細な人」がいる
- その心身の繊細さに悩んでいる人が大勢いる
- 東洋医学にはその繊細さを説明する表現が昔からある
- HSP≒気の変化が速い人
という事を覚えておいて頂ければと思います。
また時間をみて、
○HSP≒気の変化が速い方への東洋医学、鍼灸による施術の方針や
○「HSC(The Highly Sensitive Chilld)」=敏感な子について
○HSCと東洋医学について
も綴ってみたいと思います。
【引用書籍】
武田友紀 著
「ささいなことにも「動揺」してしまうあなたへ。」
エレイン・N・アローン 著
富田香里 訳
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